松本農園
眼下に広がる相模湾の先には三浦半島、そしてさらにその奥には房総半島。斜面いっぱいになっているのは、太陽と潮風を浴びて育ったミカンだ。松本農園(まつもとのうえん)をゆっくりと散策してみよう。
松本農園の歴史は古く、創業はなんと1887年。園主・松本悟(まつもとさとる)さんで5代目となる。現在は、家族4人で15000坪(≒野球場4面分)の敷地面積、3500本の木を管理している。
野球場のように平地であればいいが、同農園は斜面が多く、それだけも想像を絶する大変さである。
おもに栽培しているのはミカン。あなたはミカンはミカンだと思っているかもしれないが、その種類は数百種類にも及ぶ。その中で、松本農園では極早生(ごくわせ)・早生(わせ)、藤中(ふじなか)を育てている。
松本農園がもっとも人でにぎわうのが、10月から12月下旬にかけてのミカン狩りの頃である。
入口でハサミと袋を受け取り、いざ。
毎年来訪する人ともなると、“お気に入りの木”があるという。甘いもの、少し酸味のあるもの、あなたにとっておいしい木を見つけよう。
実は、柑橘はゴールデンウィーク頃まで楽しむことができるのをご存じだろうか。むしろ、種類が多すぎて雑柑(ざっかん)とひとくくりにされてしまうこともあるほどだ。
松本農園では雑柑狩りとして、甘夏、ニューサマーオレンジ、ゴールデンオレンジ、キンカン、レモン、ライムなどを収穫することもできる。
広大な敷地面積にさまざまな種類の木を栽培している松本農園だが、極限までの低農薬に挑んでいる。農薬を使う際も、何をどのくらい散布しているかを公表している。
除草剤、防腐剤、果実着色促進剤は使用せず、自然な色づき、自然な甘みを届けたいと努力している。
したがって、高級スーパーで販売されているミカンと比べたら、もしかしたら不格好かもしれない。でも、だからこそいいのだ。その年の、本当のミカンを味わってほしい。
ちなみに、同園ではバーベキュー(要予約)ができたり、ドッグランで犬を遊ばせることができたりもする。
真鶴ならではの思い出に、ふだんの散歩に、松本農園を訪れていただきたい。
松本農園
まつもとのうえん
■住所:神奈川県足柄下郡真鶴町岩898-7
■電話:0465-68-0330
■営業:9:00~16:30
■定休:季節による
■P有:60台(無料)
■決済:現金
■情報:WebSite・Instagram・Facebook
JR真鶴駅 徒歩33分
「真鶴駅駅」バス停 → 12分 → 「石名坂」バス停 → 徒歩9分