GROVE camping hill
熱海市泉地区にあるGROVE camping hill(グローブ キャンピング ヒル)。最寄りのコンビニエンスストアから車でわずか3分のところにあるが、地域住民でも知っている人はまだ少ない。

急坂の先にあるGROVE camping hillの“入口” タクシーはここで下車
オーナーは“まこじろう”こと長島一真(ながしまかずま)さん。東京で営業マンとして働いていたが、その意義を見出せない悶々とした気持ちと対峙していた。
DIYやキャンプが好きだった長島さんは、当時、ソロキャンプ“1年生”だった。あちこちのキャンプ場を巡ったが、ソロキャンプを楽しめる場所は意外にも少なかった。
「自分で作ろう。同じ悩みを抱えている人の役に立てるかもしれない」
Xのフォロワーに投げかけたところ、現在の場所を紹介された。すぐにクラウドファンディングを開始し、2023年9月に“開拓”を始めた。

クラウドファンディングに協力してくれた人の名前が刻まれている
もともと、この土地はミカンの段々畑だった。しかし、30年にわたって手つかずだったため、クワの低木や背丈を越える雑草が生い茂っていた。
キャンプ場を造るには“いばらの道”を通らなければならなかった。比喩ではない。本当にイバラが生える道を開拓したのだ。

Before

After
協力してくれたのは、総勢40人のボランティアの人々。長島さんいわく“素人集団”だった。
だが、だからこそ、勉強し、工夫し、切り拓いた。「大変だったからこそ楽しかったし、一番の誇りです」と長島さんは胸を張る。

切り拓いた先にあったのはこの絶景だった

伐採した木は自家製の薪として利用している

チェーンソーはいつも手の届くところに
同時に、先人たちに思いをはせた。美しい石垣と段々畑が姿を現したのだ。
数代前の人々と長島さんたちの“共作”ともいえるGROVE camping hillは、開拓から半年後の2024年3月30日開業した。

姿を現した石垣と段々畑

昔を知るミカンの木も2本だけ残っている
同キャンプ場の一番のウリは、自然を活かした場所で静かにゆったりと自分の時間を楽しめる点。ルールを明示し、“居心地の良さ”を提供している。

「みはらしサイト」湯河原の街、箱根の山、相模の海を臨む (画像提供:GROVE camping hill)

「こもれびサイト」その名のとおり木漏れ日の中で時間を過ごせる (画像提供:GROVE camping hill)

「うらやまサイト」野営を意識した中~上級者向けの空間 (画像提供:GROVE camping hill)
「明示」という点では、GROVE camping hillのウェブサイトやSNSをぜひご覧いただきたい。内容が非常に充実している。
初心者向けのわかりやすい説明から、上級者が胸躍るような演出まで、とにかく盛りだくさんだ。

ウェブサイトにはこういったキャンプ欲をそそる写真も数多くある (画像提供:GROVE camping hill)
通常であれば、ここにプランや利用案内を記載する。だが、あえてしない。長島さんのことだから、この記事が上がったころにはもう次の何かに着手しているに違いないからだ。だから、リンクからウェブサイトやSNSを確認してほしい。
開拓者は歩みを止めないのだ。

ひと休みしたらまた開拓へ
GROVE camping hill
グローブ キャンピング ヒル
■住所:静岡県熱海市泉75-1
■電話:なし
■営業:-
■定休:-
■P有:-
■支払:現金・カード・電子マネー・QR
■情報:WebSite・X・Instagram