港喫茶 ペペコーヒー
懐かしくも新しい風が吹く。真鶴に松木一平(まつきいっぺい)さんが帰ってきた。彼の活動の拠点となっているのが、港喫茶 ペペコーヒー(みなときっさ ペペコーヒー)だ。
真鶴町観光協会のすぐ隣に「真鶴ミナトラボ」という建物があり、その中にペペコーヒーがある。ご多分に漏れず、真鶴にも空き家が多い。この建物も数年間にわたって空いていた。そこを再生拠点とした。

テーブルや座布団の染めなども“真鶴産”
一平さんは東京の調理師専門学校を卒業後、京都の老舗京懐石料理店で修業した。その後、神奈川県小田原市のカフェで店長となって店舗経営を学んだ。まさにプレイングマネージャーである。

お客の話に笑顔を浮かべる一平さん
2022年、独立を考えていた一平さんの目にある募集要項が飛び込んできた。「真鶴町コミュニティマネージャー」。
自分がこれまで身につけてきた料理や経営の技術・知識、そして故郷・真鶴への思いを同時に活かすことができる千載一遇の好機だった。思い立ったが吉日、一平さんは帰郷した。

真鶴の懐かしい写真が壁を彩る

真鶴在住の画家・山田将志さんの作品 真鶴貴船まつりの鹿島踊りの様子
というわけで、ペペコーヒーでは“本格的な喫茶店の味”を楽しむことができる。
イチオシはピラリタン。ピラフとナポリタンを一緒に食べたいという声にこたえてできたメニューだ。ピラフの繊細な味つけと極太ナポリタンの食べごたえが対照的でおもしろい。

ピラリタンには大人でも日本国旗がつく
食後は真鶴ブレンドを。目の前の真鶴港を見ながら深呼吸しているような感覚になる。
お腹が満たされる。喉が潤う。ほっと一息つく。その行間に人の本心や街の課題が見え隠れする。「そういえば…」と話が始まれば、一平さんは真鶴町コミュニティマネージャーとして話を聞く。

真鶴に関する書物が並ぶ
「まずは真鶴中のシャッターを開けたい。経済と道徳を両立させ、みんなで支え合う街を作りたい。過疎地と言われるかもしれないが、幸福度の高い真鶴を築いていきたい」と一平さんは語る。

話し疲れたら真鶴みかん水 セルフサービスでどうぞ
真鶴の未来のヒントは、ペペコーヒーにあるのかもしれない。
港喫茶 ペペコーヒー
みなときっさ ペペ コーヒー
■住所:神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴965-23
■電話:なし
■営業:11:00~17:30 / (土) (日) (祝)10:00~17:30
■定休:(月) (火)+不定休
■P無:0台
■決済:現金・PayPay
■情報:Instagram
JR真鶴駅 徒歩12分
「真鶴駅」バス停 → 3分 → 「西の浜」バス停 → 徒歩1分