真鶴ピザ食堂 KENNY
JR真鶴駅の正面にあり、とびきりおいしいピザが食べられる…だけじゃない。真鶴ピザ食堂 KENNY(まなづるピザしょくどう ケニー)には、とてつもない魅力が詰まっていた。
本当にピザ“食堂”だった。カラフルな什器やオリジナルグッズが店内を彩り、カウンター席でもくもくとピザをほおばる人やテーブル席でおしゃべりする人がいる。週末には行列ができるほどの人気店だ。
KENNYを営むのは向井研介(むかいけんすけ)さん・日香(にちか)さん夫妻。さかのぼること2016年、二人は東京からの移住を検討していた。互いの地元をはじめ、日本各地を検討する中で、真鶴が目に留まった。
思い立ったが吉日、二人は真鶴を訪れた。「その日は大雨で、街には人っ子一人いなかった」と研介さんは苦笑い。でも、「細い路地や坂道、階段を歩くと、RPGの主人公になった気分で楽しかった」と振り返る。
その日にたまたま入ったカフェが二人の運命を決定づけた。研介さんがふと見ると、日香さんがその店の人やお客と楽しそうに話している。草木染めなどの共通の話題があったのだ。その光景を見て思った。「真鶴なら大丈夫だ」と。
移住してわずか半年、2016年12月に真鶴ピザ食堂 KENNYは開業した。そんな早業が可能だったのも「真鶴の人によるところが大きかった」という。真鶴町商工会に加入すると、あれこれと世話を焼いてくれ、次々に縁がつながっていった。
時は流れて2020年、KENNYは現在の場所に移転した。子供が生まれたこと、造形作家でもある日香さん、ダーツ教室を主宰する研介さんそれぞれの活動場所を確保することなどがおもな理由だった。コロナ禍のまっただ中だったが、ここでも周囲の温かい応援に後押しされた。
現在、KENNYには20種類以上のピザが並ぶ。やはり、真鶴産の素材をふんだんに使ったピザが人気だ。干物や塩辛でも、研介さんの手にかかれば想像を超える逸品となる。
研介さんのオススメを聞くと「生地!特にミミね!」という答え。「いや、そういうことではなく…」と言いかけると、「毎日、もっとおいしい生地をどうすれば作れるか考えてる。噛めば噛むほど味が出る、そういう生地」なるほど。
「本当はね、ピザの話よりも真鶴の話をしたい。真鶴への移住を考えてる人が来てくれたら、いくらでも話すよ。この街に希望を持ってくれた、心地よく暮らせるかもしれないと思ってくれた、あえて選んでくれた、そういう人たちには特にね。少なくとも、自分は真鶴に来て良かったから」
丹精込めて作ったピザに、真鶴への愛をたっぷりとトッピング。真鶴ピザ食堂 KENNYに魅了される理由がよくわかった。
真鶴ピザ食堂 KENNY
まなづるピザしょくどう ケニー
■住所:神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴402-1
■電話:0465-68-3388
■営業:11:00~17:30 (金) (日)11:00~14:30
■定休:(木) ※ほかInstagramを参照
■P無:0台 (近隣にコインパーキングあり)
■決済:現金・カード・QR
■情報:Instagram・Facebook
JR真鶴駅 徒歩0分