米粉キッチン Hanoji
食卓を囲む。そんな言葉が似合う場所が湯河原にある。米粉キッチン Hanoji(こめこキッチン ハノジ)だ。
JR湯河原駅から県道75号を海の方へ道なりに歩いて11分。白い看板と暖簾が営業中の目印である。
店内は田舎によくある和食料理店のようなたたずまいだが、本格的な米粉料理を楽しむことができると評判なのだ。
代表・堀江謙吾(ほりえけんご)さんが米粉料理を追求するようになったのには理由がある。
彼が東京の飲食店に勤務していたときの話だ。その店では、米粉のパンなどを調理・販売していた。時折、「私には小麦アレルギーがあるが、米粉のパンであればみんなと一緒の食卓を囲むことができる」とお客から感謝されることがあったという。
この声が堀江さんの心にずっと残っていた。独立する際、米粉料理を中心とした店にするのは必然だった。
Hanojiの看板メニューは米粉のタコスである。もしかしたら、ファストフードやコンビニエンスストアで販売されているような、いろいろな具材がすでに巻かれているアレを思い浮かべるかもしれない。が、同店のタコスは違う。タコスがひとつのコースのように、物語を編むように登場する。
例えば、「タンドリーチキンタコス」を注文する。すると、直径28cmの大皿に、「豆乳ドレッシングのサラダ」「米粉のポテトフライ」「カレー粉とヨーグルトで漬けたタンドリーチキン」などが並び、その横に米粉のタコスが添えられてくる。
ひとつひとつの具材が料理として完成されているので、それらをじっくり味わいたくなる。ともすると、主役である米粉のタコスで巻くのを忘れてしまうほどだ。
Hanojiは夜も営業している。察しがつくと思うが、この大皿が(いやもちろん米粉のタコスも)酒に合うのだ。それを象徴するように、同店の棚はボトルキープで埋まっている。
仕入れしだいで刺身なども提供されるため、その夜は“長期戦”を覚悟して行ってほしい。
そして、米粉キッチン Hanojiの最大の魅力は堀江さん自身である。先述の話だけでも人柄が垣間見えるが、それに加えて本当にいつも笑顔なのだ。帰り際、「そういえば、Hanojiの由来は?」と聞くと、「僕の眉毛がハの字だから」と返ってきた。
そんな下がり眉でニコニコされたら、また来たくなるわけだ。
米粉キッチン Hanoji
こめこキッチン ハノジ
■住所:神奈川県足柄下郡湯河原町中央1-1632-13 3号室
■電話:0465-20-4434
■営業:11:00~15:00 17:00~22:00
■定休:(水)
■P有:2台
■支払:現金・カード・電子マネー・QR
■情報:Instagram
JR湯河原駅 徒歩11分
「湯河原駅」バス停 → 2分 → 「門川」バス停 → 徒歩1分