GOOD DAY CAFE
突然だが、こちらのランチプレートをご覧いただきたい。湯河原にあるGOOD DAY CAFE(グッド デイ カフェ)で、ある日の昼に提供されていたものだ。
この一皿に、店主・中澤明生(なかざわあきお)さんの思いが詰まっている。
GOOD DAY CAFEは湯河原の住宅街にある。JR湯河原駅からは徒歩8分といったところだ。多少遠回りしてもいい。その分、お腹がすいて料理がさらに楽しみになる。
11:30の開店と同時に席についたが、あっという間に満席となった。店内の木のぬくもりにお客の笑い声が調和する。装飾や雑貨ひとつひとつにこだわりを感じる。
あらためて、ランチプレートの話を。大皿に色とりどりの料理が少しずつ乗っている。“色とりどりの料理が少しずつ”なんといい響きだろうか。
中澤さんいわく、「宝箱みたいな感じ。『こんな食べ方もあるよ』と。もし気に入ったら、家でもやってみて」言うは易く…。
感じたのは、普通で素朴、かつ、素材の持つ個性が際立っているということだった。その季節の、その素材の、“一番おいしい”を引き出すためにはどうしたらいいか、中澤さんの中にある知識、経験、手法には驚かされる。
そして、彼の思いはこちらの心の中にスッと入ってきて、完食ののち、自然と「ごちそうさまでした」と手を合わせている自分に気づく。
このプレートを手作りするだけでもう十分だが、中澤さんはこの遥か先を行く。何から何まで手作りしないと気が済まないのだ。
例えば、取材時に出していただいたほうじ茶。
GOOD DAY CAFEのほうじ茶はもちろん出来合いのパックではない。無農薬の畑から茶枝を採り、天日で乾燥させ、刻み、寝かせ、鉄の鍋で煎る。自然の恵みと手間暇と、何よりも思いがこの一杯に込められている。
例えば、このあと。コンニャクを作るらしい。「コンニャクイモから作るんですよね」と質問したところ、「いや、薪の灰で灰汁(あく)を作るところから」なんと…。
話は尽きない。「ちゃんと農家に研修に行って、畑を借りて、本格的に農業もやってみたい。チップをすき込む自然農法で。自分の店の料理を自分の野菜で作る。最高じゃない?」
「畑をやる、海に潜る、そんな田舎暮らしを楽しんでるだけだよ。そういったことに興味がある人と、ここでつながっていけたらうれしいね」
湯河原という土地を120%使い、そして楽しむ。そんな日が、中澤さんにとってのGOOD DAYなのかもしれない。
「…ちなみに、それは何を?」「お腹がすいたから自分が食べるパンを作ってるの。ラッケンジ酵母という天然酵母。でもね…できあがるまでにあと6~7時間はかかりそう」
もう、ご自由にどうぞ!
GOOD DAY CAFE
グッド デイ カフェ
■住所:神奈川県足柄下郡湯河原町土肥2-15-4
■電話:0465-25-0320
■営業:11:30~15:30 / 17:30~20:00
■定休:(水) 第2・4(木)
■P有:2台
■決済:現金・PayPay
■情報:Instagram・Facebook
JR湯河原駅 徒歩8分