青木商店 GLIDE
駄菓子屋からお茶屋、そしてカフェへ。形態は変わっても、青木商店 GLIDE(あおきしょうてん グライド)の真鶴への思いは変わらない。
真鶴半島の先へと続く大道商店街に青木商店 GLIDEはある。2023年まで、同店はお茶のあおき(青木商店)として地域に親しまれてきたお茶屋だった。
その店をたたむ話になった際、3代目にあたる現店主・青木宗一郎(あおきそういちろう)さんは経営を引き継ぐことを決意した。
もともとコーヒー業界に精通していた青木さんは、お茶のあおきをカフェへ改装した。黒を基調とした重厚でオシャレな内装、砂利や焙煎機などの存在感、2つの部屋をつなぐ通路に至るまでそのセンスが光る。
すべてを新しくしたわけではない。あらためて表に出てみると、昔の看板が今もなおお客を出迎える。
店内のお茶箱は雑貨ではなく本物だ。お茶の葉の販売も続けていて、お茶屋としての矜持が垣間見える。
メニューの中心となるのはやはりコーヒーだ。ドリップコーヒーは6種類ほどが常備されている。不明なことがあったら遠慮なく質問してみよう。
元お茶屋×現カフェということで、真骨頂はやはり抹茶ラテか。まず、釜から湯を注ぎ、茶千でしっかりと抹茶を立ててくれる。ミルクのスチームはバリスタの腕前の見せどころ。当然、ふわふわだ。その2つが融合するのだからおいしいに決まっている。抹茶茶碗で提供してくれるため、自然と両手で大切にいただいてしまう。
「老舗」「お茶」と聞くと、敷居が高いと思われるかもしれない。しかし、その心配は杞憂に終わる。青木夫妻は誰にでも分け隔てなく接する。地域の祭りにも積極的に参加する。ガタイのいいバイカーから近所のお年寄りまで大人気だ。
「当店のお客さんは0歳から94歳までと幅広いです。地域の日常として、観光の休憩地点としてありたいです」
二人からにじみ出る人柄と真鶴への思いが、温かい空気を醸し出しているのだと感じた。
青木商店 GLIDE
あおきしょうてん グライド
■住所:神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴455-2
■電話:0465-87-7445
■営業:9:00~18:00
■定休:(月) 第2・4(火)
■P有:1台
■決済:現金・カード・電子マネー・QR
■情報:Instagram
真鶴駅から徒歩5分